4Gと第5世代5Gの違いを比較!通信速度から今後の変化まで徹底解説
私たちの生活に欠かせないインターネットは、Wi-Fiや4Gなどの移動通信システムによって便利に利用できています。移動通信システムの4Gは第4世代の通信システムのことで、2020年には次世代移動通信システムの5Gが実用化される予定です。
ここでは提供されている4Gと2020年に提供開始予定の5Gには、どんな違いがあるのかをご紹介します。5G時代に突入することによってどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
Contents
通信システムの進化の歴史
4GやLTEなどのモバイル通信規格は電話やメール、インターネットを行うために欠かせないシステムです。このシステムは第5世代まであるように、1~4世代までの歴史もあります。まずは1~4世代の通信システムの歴史について見てみましょう。
第1世代「1G」
第1世代は1980年代に普及。日本や欧米など地域別で開発が進められ、普及当時はアナログ無線技術によって携帯電話での通話が可能になりました。
携帯電話といっても今のような小型のものではありません。当初は自動車に搭載された自動車電話として登場。後に持ち運びができる「ショルダーフォン」が登場しましたが、その重量は約3kgもあったのです。
1990年代にはデジタル無線技術が発達し、アナログよりクリアな音での通話ができるようになりました。この後からはデジタル無線でのモバイルネットワークが標準化され、携帯電話の小型化も進みました。
第2世代「2G」
1Gの頃は携帯電話で通話しかできませんでしたが、1990年代の終わり頃に登場した2Gではメールサービスの利用も可能になりました。インターネットが普及しはじめたのも、第2世代2Gの頃です。
また第2世代が登場してから間もなく、通信の高速化を実現するCDMAという技術が開発されました。この技術は第3世代のコアとなるもので、この技術を用いた端末は「第2.5世代」とも言われています。
第3世代「3G」
第1世代から地域別に開発されていたこともあって、携帯電話は端末の仕様地域でしか使えませんでした。しかし、3Gは地域だけでなく世界で使えるようにグレードアップ。他の国に行くときは別端末を持つ必要があったものが、同じ端末をどこにいても使えるようになったのです。
また3Gは2Gに比べても通信速度が非常に速くなったため、高速化を希望する多くのユーザーの願いも叶えられています。
第4世代「4G」
第3世代3Gの終わり頃には高速化技術であるLTEが開発されました。LTEは第3世代の通信システムよりも高速であることから、「3.9G」とも呼ばれていた高速化技術です。国際電気通信連合(ITU)が3.9Gの名称を4Gと認めたことから、第3世代から第4世代へと移り変わりました。
この頃から携帯電話は、ガラケーからスマートフォンへと切り替わったのです。スマートフォンは小さなパソコンのようなもの。ガラケーではできなかったことができ、人々の生活習慣をも変化させました。
第4世代は、スマートフォンの普及に伴う高速化のために開発された通信システムともいえます。
第5世代「5G」の登場
スマートフォンの普及によって通信システムの高速化が求められました。第4世代はその高速化に応じる通信システムですが、その上をいく第5世代の次世代モバイル通信システム「5G」が近々に登場します。5Gスマートフォンだけでなく、暮らし・生活を豊かにするための要素を備えているのです。
5Gは一体どういった通信システムなのでしょうか。5Gについて詳しく見ていきましょう。
第5世代「5G」とは
第5世代移動通信システムである5G。5Gは大容量通信・超高速通信・低遅延時間・同時多接続など多くの要求が求められています。スマートフォンメインの通信システムであればここまでの要求は必要ないものの、5Gはスマートフォンだけでなくその他の分野での活用も求められているのです。
4Gとの違い
4Gから進化した次世代通信技術ということはわかっても、いったい何の性能が上がったのかはわかりませんよね。ここからは4Gと5Gの何が違うのかを解説します。
通信速度・周波数
4Gは3.6GHz帯の周波数帯で速い通信速度を実現していましたが、5Gは6GHz未満・28GHzの周波数帯に対応。4Gよりも幅広い周波数帯を持つことによって通信を大容量化し、超高速通信を可能としています。
遅延性
遅延も少なくなります。サクサクと、4Gよりも快適なスマホの操作ができるでしょう。4Gは10ミリ秒ほどの遅延がありましたが、5Gでは1ミリ秒ほど。なんと遅延を10分の1に短縮できるのです。
同時接続
スマホやパソコンなどの通信は基地局と電波を受信することで使えています。基地局は各地の至るところに設置されていますが、あまりにも多くのデバイスを接続すると上手く処理ができません。
5Gは4Gよりも同時接続数を大幅にアップ。あらゆる分野で5Gの利用が想定されているため、1つの基地局の接続数は4Gの100倍になる予定です。
総務省による5Gの基地局の整備も進められる
NTTドコモやauなどの大手通信事業者は、5G回線の基地局整備をそれぞれ進めています。2024年年までに基地局7万か所の設置を目指していましたが、総務省はその計画の前倒しをするとの方針を示しています。
5Gの提供開始予定は2020年なので、しばらくの間は5Gが利用できない地域も少なくありません。しかし、5Gは幅広いサービスが期待できる次世代通信技術です。そこで総務省が前倒しをすることを発表しました。
最初は手間とコストがかからない都市部から整備をはじめ、予定より早い段階で地方の通信回線の整備を進めていくとの方針です。通信業界だけでなく総務省も5Gへの取り組を行っていますので、早い段階の実現が期待できます。
5Gと密接な関係にある「スマートシティ」
5Gはスマートフォンのための通信システムではなく、生活や暮らしに大きく影響する通信システムです。豊かで便利な暮らしができる街、「スマートシティ」。
ここではスマートシティと5Gの関係性について紹介します。
「スマートシティ」とは
スマートシティとはIoT技術を駆使することで、人が多く集まる都市部の基礎インフラを整え、人々が快適に暮らせる街のこと。スマートシティには最先端技術であるIoTが欠かせません。
IoTとはモノのインターネットのこと。言葉を話せないモノの情報をインターネット経由で知ることで、モノの状態を知ることができます。例えばドアが開いている場合は、インターネット経由で「ドアが開いているよ」と伝えてくれるのです。
IoTはモノの遠隔操作もでき、道路の信号の切り替えなども可能になります。車も多く渋滞が起きやすい都市部。状況に合わせて場所別に信号を切り替えることで、渋滞解消の可能性が高まります。
人が多く集まる場所で起きやすいエネルギーの大量消費や渋滞などをIoT技術を使うことで解消。さらに人々が便利に暮らせる街を作る取り組みが、すでにはじまっています。
世界中で既にはじまっている
IoT技術を使ったスマートシティへの取り組みはすでに米国や欧州などの世界各地ではじまっています。
例えばアムステルダムではエネルギー消費の課題を取り上げ、省エネルギーのためにIoT技術を利用。スマートメーターで人が電力の消費を目で確認できるようになり、自身の消費量を理解することで、それぞれが省エネルギーへの意識を変化させています。また再生可能エネルギーを利用した自動車の開発・導入も進んでいます。
これから新しくなる日本
世界各地でスマートシティへの取り組みがはじまっていますが、日本はどうなのでしょうか。
愛知県豊田市では小型EV車のシェアリングサービスを実施。市の至るところにEV車のステーションがあり、ステーション間であれば自由な乗降が可能になっています。電気自動車のシェアリングサービスによって、エネルギー消費量を減らすことができるのです。
このような取り組みは日本各地で行われていますが、今後もこの取り組みは拡大していくことが予想されます。すぐにスマートシティの実現とはいきませんが、実証実験によってさまざまな問題を解消していくことによって、新しい日本が誕生していくでしょう。
スマートシティに欠かせない5G
スマートシティは最先端技術であるIoTをスムーズに使う必要があるため、通信システムにも高度な性能が求められます。高度な性能を持つのが次世代通信システムである5G。5Gはスマートフォンやパソコンなどのデバイスの快適利用だけでなく、豊かな暮らしを実現するために活用されるシステムなのです。このシステムとIoTが組み合わさることで、私たちの生活は今よりもっと便利なものになるでしょう。
今後、最先端技術によって日本がどう変わっていくかに注目です。