スマホのベンチマークとは?「AnTuTu」でスマホの動作性能を測定しよう
スマートフォンの急速な普及に伴い、日本のスマホ市場は年々拡大しています。
Appleは毎年最新モデルのiPhoneを発表し、他社も負けじと新たな機能を搭載したAndroid端末を発売してきています。
競争が激化することによってスマホが進化し、便利になる反面、ユーザーの中には「種類がありすぎてどのスマホを選べばよいのか分からない!」といった声も出てくるようになりました。
本記事では、スマホを選ぶ際にポイントとなる、スマホのベンチマークについて詳しく解説していきます。
スマホの動作性能を可視化することによって、あなたにピッタリのスマホがきっと見つかるはずですよ。
Contents
そもそもスマホのベンチマークとは?
スマホのベンチマークといわれても、聞きなれない言葉なので分からないという方も多いでしょう。
スマホのベンチマークとは、スマホの性能テストのことです。
そのスマホの持つ処理性能やグラフィック性能、レスポンスなど、表面上では分かりにくい端末性能や動作性能を知るために行うテストのことをスマホのベンチマークといいます。
スマホを選ぶときにはどうしても、素人でも分かりやすいカメラ性能やグラフィック性能などを基準にしてしまいますが、実は、スマホの頭脳の役割を果たす「CPU性能」が非常に大切です。
スマホのベンチマークは、そのような隠れたスマホの実力を測ることができるテストなのです。
ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」とは?
スマホの動作性能を知るためには、コンピューターに複雑な情報処理を実行させて速度を測るベンチマークテストを行い、ベンチマークスコアを出す必要があります。
では、そのベンチマークスコアを出すためには何をすればよいのでしょう。
ベンチマーク測定アプリのなかでも人気の高い「AnTuTu Benchmark(アンツツ ベンチマーク)」をご紹介します。
AnTuTuはスマホの性能を詳細に測定できるツール
AnTuTuは、北京市の朝陽区に本社を置く企業「安兔兔」が開発した最もポピュラーなベンチマークアプリです。
スマホに搭載されているCPU、GPU、RAMなどの性能を総合的に測定することができます。
AnTuTuによって出されたベンチマークスコアによって、スマホの詳細なスペックを知ることができるのです。
手順としては、「AnTuTu Benchmark」の公式サイトにPCでアクセスし、AnTuTu Benchmark本体と3Dベンチマークソフトをダウンロード。
そしてPCとスマホをUSB接続することによってベンチマークテストを行うことができます。
Androidデバイスの場合は以上の手順を踏む必要がありますが、iPhoneの場合はApp StoreからAnTuTu Benchmarkアプリがリリースされているので、スマホだけで簡単に完結できます。
残念ながら現在のところ、Android版AnTuTu Benchmarkアプリはありません。
AnTuTuで調べられること
AnTuTuのベンチマークで出されたAntutuスコアによって
- 3Dゲームをプレイするのに十分な性能なのか
- マルチタスクに耐えられる性能はあるのか
などの疑問に答えを出すことができます。
また、AnTuTuはスマホの総合的な性能がひと目で分かる総合スコア以外にも、個別のスコアを確認することができるのです。
- レスポンスや表示速度などの重要な性能が分かる「CPUスコア」
- ゲーム性能に大きな影響をもたらす「GPUスコア」
- 操作性の滑らかさなど使用感に関わる「UXスコア」
- RAMやROMの読み込み書き込みスピードが分かる「MEMスコア」
をそれぞれ知ることができます。
SoC別に各スマホのベンチマークスコアを比較
スマホの性能は、搭載されているSoC(システムオンアチップ)によって大きく違いがでます。
SoCとは、スマホなどのモバイルデバイスに搭載されるCPUやGPUなどが1つになった、システム化チップセットのことです。
つまり、優秀なSoCであればスマホの性能は良いということになります。
それでは、SoCの種類別にそれぞれベンチマークスコアと主な搭載スマホモデルを見ていきましょう。
Qualcomm Snapdragonシリーズ
SoC |
主な搭載端末モデル |
AnTuTu総合スコア(Ver8) |
Snapdragon 888 |
Samsung Z Flip3 5G Vivo iQOO 8 |
730,000 |
Snapdragon 855 |
Xperia 1 Galaxy S10 AQUOS R3 |
464,000 |
Snapdragon 835 |
Xperia XZ1 Galaxy S8 AQUOS R |
263,000 |
Snapdragon 710 |
OPPO R17 Pro |
200,000 |
Snapdragon 450 |
AQUOS sense2 moto g6 |
74,500 |
QualcommのSnapdragonシリーズは世界中の多くのスマホで採用されていて、安定性や知名度共に抜群なSoCです。
しっかりとした動作性能を求める場合は「Snapdragon660」より上の型番を選ぶようにしましょう。
MediaTek Helioシリーズ
SoC |
主な搭載端末モデル |
AnTuTu総合スコア(Ver8) |
Helio G70 |
realme C3 |
191,000 |
Helio P70 |
UMIDIGI F2 |
172,000 |
Helio P35 |
UMIDIGI Power |
106,000 |
Helio P23 |
UMIDIGI A5 Pro |
96,000 |
MediaTekのHelioシリーズは、もともと発展途上国向けに開発されたSoCです。
価格が重視されたコンセプトのスマホに強い特徴があります。
近年ではハイエンドバージョンのチップも導入され始め、他のSoCと性能比較してもまったく引けを取りません。
Apple Aシリーズ
SoC |
主な搭載端末モデル |
AnTuTu総合スコア(Ver8) |
A14 Bionic |
iPhone 12 Pro iPhone 12 mini |
672,000 |
A13 Bionic |
iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max |
538,000 |
A12 Bionic |
iPhone XR iPhone XS iPhone XS Max |
436,000 |
A11 Bionic |
iPhone X iPhone 8 iPhone 8 Plus |
295,000 |
A9 |
iPhone SE |
199,000 |
日本の人気スマホランキングで常に上位にランキングされるiPhone。
そのiPhone専用のSoCがAppleのAシリーズです。
CPU性能やGPU性能の高さのほかに、シングルコアの性能の高さも特徴であり、スマホの中ではNo.1のSoCシリーズといえるでしょう。
ベンチマークスコアとスマホの操作性
ベンチマークスコアだけを見ても「自分はどれくらいのAnTuTuスコアのスマホにすればいいか分からない」と思う人も多いのではないでしょうか。
なにもベンチマークスコアが高ければ安心というわけではありません。
ベンチマークスコアが高いスマホを持っていても、電話しか使わなければ意味がありません。
自分が普段どのようにスマホを使うのか、何をスマホに求めるのかで、最適なベンチマークスコアは変わってきます。
具体的に見ていきましょう。
AnTuTuスコア30万以上のハイエンドモデル ⇒メーカーの最新技術が終結された最上位モデル。さまざまなゲームもサクサクプレイできる。 |
AnTuTuスコア20万以上30万以下のミドルハイモデル ⇒ハイエンドほどではないがハイスペックモデル。ほとんどのゲームが快適にプレイできる。 |
AnTuTuスコア12万以上20万以下のミドルモデル ⇒SIMフリースマホで人気のスペックモデル。普段使いは快適だが、3D系の重いゲームは画面がカクつく可能性も。 |
AnTuTuスコア8万以上12万以下のミドルローモデル ⇒普段使いは快適だが、3D系の重いゲームのプレイは厳しい。 |
AnTuTuスコア8万以下のローモデル ⇒普段使いは問題ないが、ゲームアプリは厳しい。 |
このように、ゲームなどのハードな操作性をスマホに求める場合は、高いベンチマークスコアのモデルが必要となってきます。
反対に、普段からあまりハードな操作性を求めていない方は、そこまで高いベンチマークスコアのモデルは必要ないということです。
自分に合ったベンチマークスコアのスマホを選ぼう
スマホのパフォーマンスを決める要素は、CPUやGPU、キャッシュメモリなどのSoCによるものが非常に大きいことがわかりました。
しかし私たちはスマホを選ぶときに、それらの動作性能はそれほど気にせずに端末を購入してしまう場合がほとんどです。
より満足のいく、自分にピッタリなスペックのスマホを手に入れるには、自身の用途に合ったベンチマークスコアの端末を選ぶことがおすすめといえます。