スマホのデータ移行方法まとめ|パソコンやアプリなどを使ってデータ移動
格安SIMカードやSIMフリー端末を販売するMVNO業者の数が、年々増えています。
MVNO業者とは、大手携帯キャリア(au・Softbank・docomo)の通信インフラを借りることによって、ユーザーに格安で通信回線を提供する事業者のことです。
携帯キャリアを変更する際のネックとなっていた「2年縛り」が、多くのMVNO業者にはありません。
そのため、料金や内容を吟味でき、自分に合った事業者に手軽に乗り換えが行えるようになりました。
しかし、そこで面倒なのが端末のデータ移行。
MVNO業者が取り扱う格安SIM対応スマホ(通称、格安スマホ)に乗り換えて機種変更した場合は、端末間同士でのデータ移行が必要です。
このデータ移行が面倒で格安スマホに乗り換えることに二の足を踏んでいる人も多いでしょう。
そこでこの記事では、知っていると役に立つスマホのデータ移行方法やAndroidスマホバックアップ方法、iPhoneバックアップ方法などをご紹介します。
いろいろなデータ移行の項目から、自分にピッタリのデータ転送方法を見つけましょう。
Contents
移行できるデータとできないデータがある
端末に入っている情報を分類すると、次の4つに分けられます。
- 標準アプリデータ=電話帳やSMS、カレンダーなど
- メディアファイル=写真や動画、音楽など
- キャッシュデータ=おサイフケータイや電子マネー、ポイントサービス
- コンテンツ=ゲームなど
データ移行には、PCを使った方法から、クラウドサービスを利用するものまでさまざまな方法があります。
しかし、残念ながら端末のデータすべてを一括で移行する方法はありません。
方法によって移行できるデータと移行できないデータがあり、とくに、電子マネーやアプリなどは個別に引き継ぎ設定をしなければデータを移せません。
各方法で移行できるデータの種類を確認してから、移行作業をはじめると良いでしょう。
【iPhone編】スマホのデータ移行方法
iPhoneからiPhoneへのデータ移行は比較的簡単です。
iOSデバイス間のデータ移行には主に、iCloudを使った方法とiTunesを使った方法があります。
ここでは、それぞれの手順とメリット・デメリットをご紹介します。
iCloudを使ってデータ移行
iCloudで移行を行うなら、次の2つに気をつけてください。
- Wi-Fi環境がある
- 容量は5GB以下
iCloudの無料のストレージが5GBなので、移行するデータの容量が5GB以下である必要があります。
Wi-Fiと容量の2つの条件がクリアできる状況であれば、iCloudでの移行は、iPhoneのデータ移行で最も簡単な方法です。
はじめに、旧端末でバックアップデータを作成します。
① デバイスを Wi-Fi ネットワークに接続します。
➁ 「設定画面」>「[ユーザ名]」の順に選択し、「iCloud」をタップします。
③ 「iCloud バックアップ」をタップします。
④ 「今すぐバックアップを作成」をタップします。バックアップが終わるまで、Wi-Fi ネットワークに接続したままにしておいてください。
進行状況を確認し、バックアップが終わったか確認できます。
「設定画面」>「[ユーザ名]」>「iCloud」>「iCloud バックアップ」の順に選択します。
「今すぐバックアップを作成」の下で、最後のバックアップの作成日時を確認できます。
引用元:https://support.apple.com/ja-jp/HT203977#icloud
次に、新端末にバックアップデータを復元します。
① iOSデバイスの電源を入れます。
➁「Appとデータ」画面で「iCloudバックアップから復元」をタップし、iCloudにサインインします。
③ 「バックアップを選択」を選択し、iCloudで使用可能なバックアップのリストから選択します。
引用元:https://support.apple.com/kb/ph12521?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP
バックアップデータが複数表示される場合は、バックアップの日付と時間から正しいデータを選択してください。
iCloudの無料ストレージの上限は5GBです。
これは、写真(1,000万画素の場合の目安)なら約1,500枚、音楽(音質128kbps)なら約1,000曲分です。
写真データやビデオデータをクラウドサービスなどに移していない場合は、容量が足りるかを確認してください。
無料ストレージは5GBですが、有料でより大きい容量のプランにアップグレードすることもできます。
最小のプランは50GBで、月額料金は130円です。ほかに200GB、2TBのプランもあります。
iCloudは自動バックアップ機能もありますが、念のため機種変更の際は手動でバックアップができているか確認しましょう。
パソコン使ってiTunesでデータ移行
データ移行でiTunesを利用する場合はパソコンが必要です。
しかし、iCloudを利用した移行と違い、Wi-Fiの必要はありませんし、データ容量に上限もありません。
まず、旧端末でバックアップデータを作成します。
① iTunes を開き、コンピュータにデバイスを接続します。
➁ これらのデバイスのパスコードの入力を求めるメッセージや、「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージが表示された場合は、画面上の案内にそって操作します。
③ iTunes に iPhone/iPad/iPod が表示されたら、それを選択します 。
④ iOS デバイスまたは Apple Watch 上のヘルスケアとアクティビティのデータを保存しておく場合は、バックアップを暗号化する必要があります。「[デバイス] のバックアップを暗号化」というチェックボックスを選択し、覚えておけるパスワードを指定してください。ヘルスケアとアクティビティのデータを保存する必要がなければ、暗号化せずにバックアップを作成できます。そのまま「今すぐバックアップ」をクリックしてください。
⑤ 処理が終わると、iTunes の「概要」画面でバックアップが正常に終わったか確認できます。「最新のバックアップ」の下で、日時を確認してください。
引用元:https://support.apple.com/ja-jp/HT203977#itunes
次に、新端末にバックアップデータを復元します。
① デバイスをバックアップする際に使った Mac または Windows パソコンで iTunes を開きます。
➁ デバイスを USB ケーブルでコンピュータに接続します。これらのデバイスのパスコードの入力を求めるメッセージや、「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージが表示された場合は、画面上の案内にそって操作します。
③ iTunes に iPhone、iPad、または iPod touch が表示されたら選択します。
④ iTunes で「バックアップを復元」を選択します。
⑤ 各バックアップの日付とサイズを見比べて、もっとも適切なものを選択します。
⑥ 「復元」をクリックして、復元が終わるまで待ちます。暗号化したバックアップのパスワードの入力が必要な場合は、入力します。
⑦ デバイスが再起動した後も接続したまま、コンピュータとの同期が終わるまで待ちます。同期が終わったら接続を切ることができます。
引用元:https://support.apple.com/ja-jp/HT204184#iTunes
iTunesを利用した場合、データの転送量にもよりますが、バックアップ・復元の際に1時間ほどかかることもあります。
時間に余裕をもって、また動作中は絶対にケーブルを抜かずに、移行作業をしてください。
また、iOS11以降であれば、旧iPhoneの設定を利用して新iPhoneを設定する「クイックスタート」というデータ移行サービスが使えます。
クイックスタートによって新旧のiPhone同士をかざすだけで初期設定が完了し、iCloudからデータ復元ができるので、格段に手間を省けるでしょう。
さらに、iOS12.4以降であれば、いちいちバックアップをとらなくてもiPhone間で直接画像データやアプリデータを移行することができるので非常に便利な機能といえます。
【Android編】スマホのデータ移行方法
Android端末のデータ移行には、次の4つの方法があります。
- 携帯電話会社のサービス
- アプリ
- パソコン
- SDカード
また、Android端末特有のGoogleサービス(Googleフォト、Googleドライブなど)については、新しいスマホ側でGoogleアカウントを入力すれば移行が完了します。
Googleバックアップはとても簡単です。
携帯電話会社のサービスを使ってデータ移行
au・Softbank・docomoの大手携帯電話会社では、キャリア固有のデータ移行用サービスが用意されています。
キャリアはそのままで機種変更のみする場合のデータ移行は、各携帯電話会社のサービスを利用すると便利です。
ただ、キャリアによって移行できるデータに違いがあり、移行対象のデータ以外は手動などで移す必要があるので注意してください。
各キャリアのデータ移行サービスをご紹介します。
auのデータ移行サービス:「データお預かり」
auは「データお預かり」というデータ移行サービスが端末に搭載されています。これを使えば、電話帳・写真・動画・カレンダーのデータが移行可能です。
ただ、2015年4月以降に発売されたAndroid端末、それ以前に発売されたAndroid端末により、データ種別が異なります。
「データお預かり」を利用する際は、事前に確認しましょう。
① まず旧端末の「お客さまサポート」にある「データお預かり」アプリを開きます。
➁ 保存するデータにチェックを入れて「預ける」を選択すると、データの保存が可能です。
③新端末でアプリを開いて下段真ん中の「戻す」を選択。データにチェックを入れて「戻す」を選択するとデータの移行は完了です。
Softbankのデータ移行サービス:「あんしんバックアップ」
Softbankには、「あんしんバックアップ」というデータ移行サービスがあります。
これを使えば、電話帳・カレンダー・通話履歴・画像・音楽・動画のデータ移行が可能です。
①旧端末で「あんしんバックアップ」アプリを開き、「データの保存(バックアップ)」を選択します。あんしんバックアップアプリをはじめて開くときは、アクセスの許可など初回設定をしてください。
➁保存先を選んで保存するデータにチェックを入れ、「保存開始」を選択するとデータの保存ができます。
③新端末での初期設定完了後、アプリを開いて「戻す」を選択するとデータの移行は完了です。
設定次第で、自動バックアップもできます。
Softbankをご利用の方にはおすすめのデータ移行方法です。
docomoのデータ移行サービス:「ドコモデータコピー」
docomoには、「ドコモデータコピー」というデータ移行サービスがあります。
これを使えば、電話帳・キャリアメール・スケジュール・メモ・画像・動画・音楽のデータ移行が可能です。
①GooglePlayストアで、旧端末と新端末それぞれに「ドコモデータコピー」アプリをダウンロードします。
➁アプリを開き、旧端末で「今までのスマートフォン(コピー元)」、新端末「新しいスマートフォン(コピー先)」を選択。
③旧端末にQRコードが表示され、新端末にQRコードリーダーが表示されます。
④QRコードを読み取ることでデータの移行は完了です。
「ドコモデータコピー」では旧端末と新端末の両方が必要なので、下取りなどに出してしまわないように注意してください。
アプリを使ってデータ移行
旧端末と新端末が同じ携帯キャリアであれば、キャリアサービスを利用してデータ移行することができますが、異なるキャリアでデータ移行をする際にその方法は使えません。
異なるキャリアでのデータ移行には「JSバックアップ」などの、バックアップサービスのあるサードパーティー製アプリを利用します。
①まずは旧端末のホーム画面からJSバックアップアプリをダウンロードします。そしてアプリを開き、「バックアップ」を選択。
➁バックアップデータの保存先、バックアップする項目を選択し、「スタート」をタップするととバックアップがはじまります。バックアップスタートを押す前に、右上の歯車マークを選択すると、移行データの項目を変更することが可能です。
③ 新端末でもJSバックアップアプリをダウンロードし、「復元」を選択し、「スタート」をタップすると、データの移行は完了です。
バックアップや復元の作業中にスマホを操作すると、アプリデータが更新されて正しく作業できない可能性があるので、絶対に操作はしないように注意してください。
移行対象データは電話帳・通話履歴・キャリアメール・カレンダー・画像・動画・音楽・ブックマーク・システム設定・ホームショートカット・アラーム・辞書・アプリ・文書です。
また、機種によっては「Google設定」アプリの中に、Androidの純正データ移行ツールが搭載されているものもあります。
旧端末と新端末の両方を手元に用意し、Bluetoothでデータ移行ができるので、非常に簡単です。
USBケーブルを使ってパソコンでデータ移行
Android端末はパソコンに接続することで、USBなどと同じ外部ストレージとして使用することができます。
ファイル転送アプリなどを使わずに、パソコンを使ってデータやフォルダーのコピー&ペーストが可能です。
①まず、旧端末を「ファイル転送モード」にし、microUSBケーブルでパソコンとつなぎます。
➁ファイルを開いて端末内のデータをパソコンにコピー。使用するパソコンがMacで、外部ストレージとしてうまく認識できない場合、「Androi File Transfer」というアプリをダウンロードすれば解決します。
③ 次に、新端末をmicroUSBケーブルでパソコンとつなぎ、保存しておいたデータを移せば、データ移行は完了です。
端末をUSB接続でパソコンにつないでも認識してくれない場合は、端末にロックがかかっていないかを確認してください。
SDカードを使ってデータ移行
各キャリアのデータ移行サービスやJSバックアップでは、バックアップ先としてSDカードバックアップができます。
バックアップを取る手順で保存先にSDカードを選択すると、SDカードへのデータの保存が可能。新端末にそのSDカードを挿入し、復元先でSDカードを選択するとデータの移行は完了です。
SDカードを使ってデータ移行をするときはmicroSDHCカードなど、容量の大きいSDカードを用意しましょう。
LINEを新しいスマホにデータ移行するには
もはや日本人のコミュニケーションツールとして欠かせなくなった「LINE」。
標準アプリではないため、データ移行には個別の移行設定が必要です。
LINEの引き継ぎ方法は、まず旧端末で次の情報の確認と設定を行います。
①LINEに登録したメールアドレス
➁登録したパスワードの再設定
③トーク履歴のバックアップ
④引き継ぎの許可(機種変更をする当日に行ってください)
引用元:http://official-blog.line.me/ja/archives/53494977.html
次に、新端末にアカウントの引き継ぎを行います。
①LINEアプリを新しいスマートフォンにインストールして開く。最初の画面で[ログイン]をタップ
➁登録したメールアドレスとパスワードを入力
③電話番号を入力し、SMSで受信した4桁の認証番号を入力
引用元:http://official-blog.line.me/ja/archives/53494977.html
これで、LINEのアカウント引き継ぎは完了です。
新端末でデータの復元を行う際に、連絡先や通知などのアクセス権限を許可するかどうかの確認が出た場合は、特別な事情がない限りはすべてOKとしてください。
アクセスを制限するとトーク履歴の復元に支障がでる可能性があります。
LINEアプリは、1つのアカウントにつき1つの端末しか利用することができません。
2つの端末で同時利用はできないので、新端末での引継ぎ後にバックアップのミスが発覚しても旧端末に戻ることはできないので気を付けてください。
また、AndroidからiPhone、iPhoneからAndroidなどの異なるOS間の引き継ぎでは、購入済みのLINEコイン残高の移行はできません。
異なるOS間の引継ぎをする場合は、事前にLINEコインを使い切ってしまいましょう。
ガラケーからスマホへ電話帳などをデータ移行するには
ガラケーからAndroid端末へデータ移行には、SDカードを利用します。
ガラケーにはアプリがないので、電話帳・写真・動画・キャリアメールのデータを移す作業を行います。
①端末で電話帳・データボックス・メールボックスを開き、それぞれのメニューから「SDカードへコピー/エクスポート」を選びます。
➁そのSDカードをAndroidスマホへ挿入し、コピーを行えばデータ移行は完了です。
スマートフォンに比べ、ガラケーはデータ容量が少ないので、データ移行は簡単です。
移行したいデータが電話帳やアドレス帳のみなら、赤外線通信機能でデータ移行するという方法もあります。
機種変更の際はパソコンやSDカードなどを使ってデータ移行させよう!
新しいスマホにデータ移行するには、携帯会社サービスやアプリ、パソコン、SDカードを使った移行など、主に4つの方法があります。
それぞれに移行できるデータが違うので、移行の手順とともに、対象データについても注意してください。
Gmailなどのフリーメールは、ログインIDとパスワードがわかれば移行作業は不要。
また、Googleフォトなどの写真アプリや写真共有サービスもIDとパスワードで簡単に移行は可能です。
新端末に変更する前に、事前に旧端末で各サービスのログインIDとパスワードを確認しておきましょう。
格安SIMの普及で以前にも増してスマートフォンを持つ人が増えています。
気軽にできる自分に合ったデータ移行方法を知っておくことは、ハッピーなスマホライフをこれから送るために重要なことであるといえるでしょう。
また、家族全員がスマホを持つようになったときは、GooglePlayファミリーライブラリの登録をおすすめします。
Google Playファミリーライブラリに登録すると、最大6人までゲームなど有料コンテンツの共有ができるのです。
家族みんなで楽しむことができるので、ちょうど機種変更した際には是非インストールしてみてください。
(ただしキャリア決済は不可。クレジットカードが必要です。)
- 格安SIM対応スマホの急増によりデータ移行する機会が増えている
- データ移行の方法によって移行できるデータとできないデータがある
- スマホのデータ移行は携帯会社、アプリ、パソコン、SDカードの4つの方法がある
- LINEのデータ移行は旧端末での引き継ぎ設定が必要